ぱじ
- 作者: 村上たかし
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/05/20
- メディア: コミック
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なんとなく、
なんとなくね、
購入したんですが。
これはあかんです。
大号泣。
お父さんとお母さんが相次いで死んでしまった孫娘ももちゃんを引き取って育て始めた「ぱじ」。
パパとおじいちゃん兼任だからぱじ。
70歳を過ぎて段々と自らの衰えを自覚しつつあるぱじと、
保育園に通っていてまだまだ目も手も離せないももちゃん。
そんな二人の穏やかで優しいながらもどこか切ない日々を描いた4コマ漫画です。
今時の70代は元気だっていうけれど、
それでもこの先孫娘が成長していく姿をどこまで見届けられるかわからない、
そんなぱじの不安をまだ幼いももちゃんは理解できないけれど、
ぱじがいつまでも元気でいて欲しいと願う優しい心は既に育っています。
4コマ漫画の上に実はこの単行本は愛蔵版で9巻分のお話から選りすぐった話だから、
あっという間に保育園、小学校へ進んだように見えるけれど、
その間にぱじが脳出血(クモ膜下出血かな?)で倒れたり、
少しずつ忍び寄るももちゃんとぱじとの永遠の別れの予感はさりげなく描かれています。
もうもうこれはだめだね。
最後大号泣。
フィクションの、
それも漫画(しかも4コマ漫画)でここまで泣けるとは思わなかったです。
ラスト、
ももちゃんが素敵な女性に成長して結婚式を挙げています。
さらにその数十年後、
ぱじに教えてもらったことを今度は孫に伝えるももちゃん。
亡くなった人は肉体的にはこの世には既に存在しないんだけれど、
その心や伝えたい思いなんかはずっと人を介して残っていくのだなぁ。
1/9のほんのエッセンスの中に作者の思いがぎゅっと詰まっている、
これはもう名作です。
なんで単行本絶版になってるんだろな…。
商業的には厳しいのかな。
ドラマにもなっているみたいなのにね。
すごくいっぱい泣けるので、
休日の前の夜とか目が腫れても良い時じゃないと読めないです。
読むと涙腺崩壊するですぞ。